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『坂の上の雲』デキるビジネスパーソンへオススメ本をご紹介

2017/4/7

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こんにちは。ヴィーナス・ブラスト(Venus Blast)広報のミナコです。

これまで、実用書から小説まで、幅広いジャンルの本を紹介してきたこのコーナー。本日は、ヴィーナス・ブラスト代表の岩本竜一郎社長がいよいよ登場! 司馬遼太郎の代表作『坂の上の雲』をご紹介していただきます!

日本という組織がつくられる過程を丁寧に描いた傑作

坂の上の雲〈1〉

  • 『坂の上の雲』(全8巻) 司馬 遼太郎 (著)
岩本さん

ミナコ:まずは、この作品の内容を簡単に教えてください。

岩本:ひと言で言い表すのは難しいな(笑)うーん……簡単に言うと、この小説は明治のはじめ、愛媛県に生まれた3人の男たちの物語です。陸軍騎兵の父とよばれた秋山好古、日露戦争でロシア艦隊を破る作戦を立てた秋山真之、俳句・短歌で名を成した正岡子規の3人を軸に展開するストーリーなんだよね。

ミナコ:あ、正岡子規は知っています!野球に関する外来語を日本語に訳した人ですよね。「打者」とか「四球」とか。と言っても、これくらいの知識しかありませんが…。社長は、どうしてこの本を推薦しようと思われたんですか?

岩本:この小説には、生まれたばかりの近代国家・日本が、どんなふうに世界に認められるまでの立派な国に成長しのたか、その過程が丁寧に描かれているんだよね。国というのは、ひとつの組織になぞらえてもいいと思うんです。例えば会社とかね。

ミナコ:国を会社に例えると、国民は従業員、ということですか?

岩本:そう!小説内の時代では、国民という従業員が、国という会社を世界に認められる立派な組織にするために、ひとつにまとまってがんばったという物語なわけですよ。ヴィーナス・ブラストの社長として読むと、今でもたくさんの“気づき”があるんだよ。

僕はもともと、エンジニアとしてずっと物づくりの現場で働いてたんだけどさ。一時は120人くらいのスタッフを抱え、システムづくりをしていたこともあるんだよね。その当時は、ひとりのエンジニアが何でもこなせなければ認められない、という時代でさ。でも、一個人ができることはどうしても限られるよね?そんなときにも、『坂の上の雲』のストーリーが頭をよぎったんだよね。

個人の力が集まり組織として機能してこそ、大きな仕事も成し遂げられる。組織の中で生きることの大切さを、この本を読んでくみ取ってくれたらうれしいなー。

ミナコ:ひとりの力には限界がある。だからこそ、一人ひとりが力を合わせ、組織としてまとまっていかなくてはいけない。私たちヴィーナス・ブラストにも共通して言えることですね。

岩本:組織をつくり上げる過程も、この作品では上手に描かれているんだよ。今の時代は個人ばかりがフォーカスされるけど、組織の中で活躍することの面白さや“やりがい”というものも、感じてもらえるんじゃないかな。

岩本さん

ミナコ:歴史小説で組織論を学べる面白さというのが、この作品を楽しむポイントとも言えるわけですね。ちなみに、ヴィーナス・ブラストという組織にいる私たちがより活躍するためには、何が必要だとお考えですか?

岩本:ヴィーナス・ブラストの強みは男性目線の評価じゃなくて、女性が自分の良さをしっかり生かして活躍できる環境だと思うんだよね。女性中心のIT企業で、私たちくらい規模の大きな会社は、実は世界でも珍しいはずでさ。だけど残念なことに、うちの会社で働くことの価値と意義に気づけていない女性が多いかも・・・。これってとてももったいないと思うわけですよ!

ミナコ:確かに、男性がほとんどいない会社ということで、そこから生まれるメリットというのはたくさんあるような気がします。そんな組織にいることを自覚して働く社員が増えればいい、ということですね。

岩本:個人が組織の価値を自覚して、そこに“誇り”を持って活躍することは本当に大切なこと。こうした考えも、『坂の上の雲』で、僕が学んだことのひとつだと思うんだよ。

男たちを支え続けた“ブレない愛”

岩本さん

ミナコ:この小説の主人公は3人の男性だということですが、印象に残る女性の人物がいたら教えてください。

岩本:『坂の上の雲』には、3人の素晴らしい女性が出てきます。秋山兄弟のお母さんである秋山貞さん、正岡子規の妹の律さん、母の八重さん。この3人には、共通している部分があるんだよね。それは、“人にはない家族の才能にいち早く気づいて、それを伸ばそうとした”というところ。

ミナコ:息子や、お兄さんの持っている才能に気づいて、それを認めてくれる存在であったというわけですね。

岩本:そう。この3人の女性は、息子や兄弟たちの持っている才能を信じて、男たちを支え続けました。周囲から誰も認められない中で、「お前には才能がある!」と言い続けるのって、なかなかできることじゃないよね? 女性の強さと“ブレない愛”の大きさを感じました。

ミナコ:ブレない愛の強さ…。私にそれができるかどうか分からないけど、カッコイイと思います。

岩本:家族の持っている才能を信じ切る。貞さんは好古・真之兄弟の母親ですが、男性って、「女性に信じられるとなかなか裏切れない」というところがある(笑)。この小説はいろんな男が出てきて、世の中を動かす働きをしたわけですが、その男を育てたのって、彼女たち女性なんですよ!

ミナコ:3人の女性の生き方から、私たちが学べる部分はたくさんある、ということですね。私も広報担当として、肝に銘じます!

山本権兵衛に学ぶリーダー像

岩本さん

ミナコ:社長が好きな登場人物についても教えてください。

岩本:山本権兵衛だね。日露戦争当時の海軍大臣を務めた人物なんだけど。海軍だけでなく、海運業も変えた人で、三井や三菱、八幡製鉄所などが活躍したその後の産業界に大きな影響を与えた人だよね。

ミナコ:具体的に、どんな活躍をされた人だったんですか?

岩本:この人は軍人であると同時に、サイエンスにも通じた、日本では珍しいタイプのリーダーなんだよ。日露戦争でロシアに勝つためにはどうするか?その目的達成のために、必要なことを準備してから戦争に臨む。この理論形成がとても緻密ですごいんだ! ただ目標を立てるだけでなく、それをなし得るだけのデータ的な裏づけを揃えたうえで事にあたった姿には感銘を受けるよね。

ミナコ:科学者タイプの軍人さんだったんですね。

岩本:山本権兵衛にはこんなエピソードがあるんだよ。日露開戦前、大蔵省(現・財務省)から、「日本で戦艦がなぜつくれないのか。どうしてわざわざイギリスから大金をはたいて買わなければならないのか」というクレームが、山本大臣のところへ寄せられてきて。

そこで山本大臣は、日本の鉄とイギリスの鉄、交互に熱して冷やすという実験を試みたんだそうです。すると、日本産の鉄は簡単にポキンと折れてしまう。つまり、日本の工業力は、欧米と比べそれくらい遅れていたのです。「こんな粗末な鉄でつくった戦艦で戦えますか?」と、逆に大蔵省に詰め寄ったんだよ!

ミナコ:ただ言うだけじゃなく、しっかり証拠を見せて、相手を納得させたわけですね。

岩本:まさしく、“論より証拠”ですよね。彼が論理構築にここまで真剣だったのは、戊辰戦争や西南戦争を戦った経験が大きいと思う。この2つの戦で、日本の将来を担うはずだった多くの若者が犠牲になりました。大国ロシアとの戦争で、若者に二度とそのような体験をさせたくなかったんだね。

できる限り血を流さないようにするにはどうしたらいいか。彼の徹底した理詰めには、そうした大局を見て判断するリーダーとしての強い姿勢が伺えるんだよ。

ミナコ:海軍大臣であり、科学者でもあった山本権兵衛さんですが、エンジニア出身の社長と、何か通じる部分があるんですね。

岩本:エンジニアとして見た場合、山本権兵衛みたいな人が同じ職場にいたら、面白い仕事ができたのに、と思うことはあるね(笑)

ミナコ:山本権兵衛さんみたいな人が上司だったら、どんな指示出しも納得して仕事ができそうです(笑)最後に、総評をお願いします。

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岩本社長曰く、「『坂の上の雲』はしっかりした女性が育てた男たちの成功物語」だそう。それを聞くと、むしろ女性にこそ読まれるべき小説かもしれないですね。今日の岩本社長のインタビューを読んで興味を持った方は、ぜひ読んでみてくださいね。

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